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2025.1.1から|労基署への届出の一部が電子申請義務化されます

労働安全衛生関係の一部の手続は電子申請により行わなければなりません

事業主には、労働基準法や労働者災害補償保険法、労働者安全衛生法などの法令により、労働基準監督署への届出が義務付けられている事項があります。これらの諸届出のうち労働安全衛生関係の届出の一部については、2025年1月1日より電子申請により提出することが義務化されます。従来は、紙の様式に手書きなどで記入したものを郵送により提出されることが比較的多くありましたが、以後は電子申請システムを使用して届け出ることとなります。

2025年1月1日より電子申請により届け出なければならない事項は下記のとおりです。

  • 労働者死傷病報告
  • 総括安全衛生管理者/安全管理者/衛生管理者/産業医の選任報告
  • 定期健康診断結果報告
  • 心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告
  • 有害な業務に係る歯科健康診断結果報告
  • 有機溶剤等健康診断結果報告
  • じん肺健康管理実施状況報告

上記の2の届出については、対象となる事業所の事業所規模(常時使用する労働者数)および業種が定められており、これらの要件を満たす場合には届け出ることが義務付けられています。また、上記3と4については常時50人以上の労働者を雇用する事業者が対象となっています。

上記5、6、7は、労働者に一定の有害な業務を行わせる事業者であれば事業所規模によらず届け出なければならない事項であり、上記1については業種・事業所規模を問わず労働者が業務災害により死亡または休業した場合に届け出る義務が課されています。

労働者死傷病報告の留意点

仕事中の負傷・窒息・急性中毒等により、労働者が休業または死亡したとき、事業者が労働基準監督署に提出しなければならない書類です。仕事中の災害による休業または死亡を届出るものであるため、通勤災害によるものについては届出不要です。

  • 『労災隠し』に該当
    報告を怠ったり事実と異なる内容を報告したりすることを労災隠しといい、労働安全衛生法違反の犯罪にあたります。
  • 書類送検・罰金のおそれ
    労災隠しは、発覚すれば、書類送検のうえ50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

労働基準監督署は、従業員や関係者からの連絡や相談を受けるだけではなく、立ち入り検査などを頻繁に行っており、この際に未届が発覚するケースも後を絶ちません。

死傷病報告のよくある間違い

  • 負傷等をしたのが労働者ではない場合
  • 医療機関で治療を受けたものの、負傷日の翌日以降 1日も休業しなかった場合
  • 通勤災害の場合
(1)労働者が 死亡 または 休業が4日以上である場合

労働災害の発生後直ちに提出しなければなりません。この場合の「直ちに」とは、およそ1週間~2週間以内であり、遅れると遅延理由書により、遅れた理由の説明を求められることがあります。

(2)休業が 4日未満 の場合

四半期ごとの翌月末日までに提出しなければなりません。具体的には、1月~3月に起きた災害 ⇒4月末日までに提出、4月~6月に起きた災害 ⇒ 7月末日まで、7月~9月に起きた災害 ⇒ 10月末日まで、10月~12月に起きた災害 ⇒ 翌年の1月末日までが期限です。

休業が 4日未満 の場合は4半期ごとの翌月末日までに届け出るものなので、3ヶ月分取りまとめて必要事項を記載する様式のものを使用します(様式24号)。

労働者が 死亡 または 休業が4日以上の場合は、事故ごとに詳細な報告欄が設けられた様式を使用します(様式23号)。

医療機関にかかったときの治療代や、病気やケガの治療のために3日以上欠勤し報酬を受けない場合の休業補償などの給付は、労働基準監督署へ労災給付の申請をすることで行われますが、労働者死傷病報告書は、労災保険の申請とは別途で届け出なければなりません。労災給付の申請をしていれば省略できるものではありません。届出を忘れてしまうと、労災隠しと判断されるリスクがありますので気をつけましょう。

届出根拠法令目的
労働者死傷病報告労働安全衛生法事故の原因を明らかにし、事故防止に役立てること。
労災給付の申請労働者災害補償保険法労働者に対する治療費、休業補償などの国からの給付を行う。

届出を忘れないための対策

(1)事業所が行うべき手続きのタイミングを自主管理する

事業所が行わなければならない労働・社会保険の手続きには届出期限が設けられています。一般的によく発生する手続きの届出期限や対応時期は次のとおりです。

  • 賞与を支給したら → 賞与支払届(5日以内)
  • 給与額を改定したら → 月額変更届の提出(改定4ヶ月後)、社保料控除額の変更(改定4ヶ月または5ヶ月後から)
  • 7月になったら → 算定基礎届の提出(7/10まで)
  • 9月または10月に → 算定基礎届に伴う社保料の変更

上記の他には、入社、退職、育児休業や介護休業をした従業員がいる場合や、60歳に到達した従業員がいる場合に届け出なければならない手続などがあります。自社で届出を行う場合は、届出の種類と要件などの決まりごととあわせて十分に把握して対応する必要があります。

(2)社会保険労務士に委託する

社労士は、社労士法で事業主に代わって労働・社会保険手続の作成・提出代行をすることが許可されている国家資格者です。人事労務の専門家に任せることでミスを無くして安心!社内業務を効率化するのに役立ちます。

当事務所では、労務顧問の【手続代行プラン 22,000円~】の場合、労働・社会保険手続を代行することができます。

おわりに

行政機関における事務の効率化などの目的として、近年さまざまな改正が行われています。届出の電子化義務に対応するためには、労働・社会保険についての専門知識が必要であり、見落しが生じると行政機関からの調査・監督指導・是正報告などに対応することとなり、場合によっては罰則が適用されるリスクもあります。正しい理解と対応のために、小さな疑問が生じた時にはお気軽に当事務所までお問合せ下さい。