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令和7年度の雇用関係助成金

はじめに

例年、3月末から4月初旬は、令和7年度厚生労働省予算案などの内容を踏まえて雇用関係助成金の詳細要件が発表される時期です。投稿日時点では、詳細な支給要件を定めている支給要領はまだ発表されておりませんが、新設される助成金や令和6年度のルールからの変更点の概要については発表されていますので、企業の皆様が、来年度の人事関係のご予定を立てる際のご参考までに、令和7年度の雇用関係助成金の概要をお伝えいたします。

令和7年の助成金は企業のどのような課題に活用できるか?

令和7年度の助成金は、全体として【法改正対応】【賃上げ】【機械・設備投資】【ゆとりある働き方の整備】といった、労働者の働きやすさの整備を前進させることで人材確保や企業間の競争力を進めようと考える企業を公的に支援する意図が込められているように思います。

中小企業が活用しやすい助成金を、活用目的別で整理すると、下記のようになります。

中小企業におすすめの助成金【1】「両立支援等助成金」

仕事と、育児や介護を両立しやすい環境を整える企業向けの助成金です。令和7年4月からと10月からの2段階で進む育児介護休業法へ対応もかねて利用できるコースもあります。

育休中等業務代替支援コースは、育児休業を取得する労働者の、休業中の業務を代替する従業員の業務による負荷などの意味で手当を支給する場合の助成です。育休をする従業員の代わりに新規で従業員を雇い入れる場合も対象になります。社労士に業務の棚卸・分析、休業中の業務調整のためのコンサルティングを委託した場合の加算措置もあり、最大で140万円が助成されます。

柔軟な働き方選択制度等支援コースは、改正育児介護休業法に定められている子が3歳になるまでの従業員が利用できるものとして企業が制度化する義務を負う「柔軟な働き方制度」の取り組みに対して助成されます。この助成金を申請する場合は「2つ以上」実施(助成20万)・「3つ以上」実施(助成25万)。法改正がスタートする令和7年10月からは「3つ以上」実施(助成20万)・「4つ以上」実施(助成25万)。なお、柔軟な働き方制度には、①フレックスタイム制/時差出勤制度、②育児のためのテレワーク等、③短時間勤務制度、④保育サービスの手配・費用補助制度、⑤子の養育を容易にするための休暇制度/法を上回る子の看護休暇制度があります。

また、令和7年4月からの育介法改正により始まる看護等休暇を有給扱いの休暇として制度化し、これを従業員に利用させた場合の助成もあります(1企業30万円)。

中小企業におすすめの助成金【2】キャリアアップ助成金

非正規の労働者の待遇改善を図る事業主向けの助成金です。パート・有期雇用の労働者を正社員化するコース(助成20~80万/人)、賃金表を設けたうえで昇給すること等が要件の賃金規程等改定コース(4~7万/人)、正社員の賃金規程との共通化(60万/1事業所)、賞与・退職金制度を新たに定めて適用する場合の賞与・退職金制度導入コース(40万/1事業所)、社会保険適用時の労働者の保険料負担を事業主が行う場合の社会保険適用時処遇改善コース処遇(最大50万)があります。

中小企業におすすめの助成金【3】「働き方改革推進支援助成金」

長時間労働や、密な労働による負荷を軽減させ、ゆとりある働き方を推進する事業主向けの助成金です。長時間労働のほか、業務効率化による労働密度の改善のための機械・設備投資を行う企業に適しています。労働者の時間あたりの賃金を上昇させる場合の加算もありますので、賃上げを行いたいとお考えの企業にも適しています。

①業務終了~翌日の業務開始の間に一定時間以上の休息時間を設ける場合と、②36協定の上限時間を60時間未満に減らす、または、③年次有給休暇の計画的付与制度を新たに導入する、④新たに時間単位年休と有給扱いの休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、不妊治療のための休暇、時間単位の特別休暇のいずれか1つ以上)を導入する場合などの目的別のコース助成があります。①~④いずれの場合も、事業主が行う機械・設備投資に対する助成であり、助成率4分の3(従業員数30人未満の場合は一定要件の下5分の4)です(上限あり)。

従業員の時間あたりの賃金を3%以上~7%以上賃上げする場合は、加算措置が設けられています(賃上げ率と対象人数により6~360万)。

申請手続は2回あり、申請期限の期日が設けられています。各助成金には、あらかじめ国の予算が設けられており、上限に達すると突然締め切られてしまい、申請できなくなってしまうことがあります。働き方改革推進支援助成金の注意点として、過年度において複数回、申請期限前に受付終了になったことがありますので、取り組む場合は早めに準備しておくことが重要です。

中小企業におすすめの助成金【4】「業務改善助成金」

生産性向上と事業場内最低賃金引き上げに取り組む中小企業向けの助成金です。業務改善助成金は、機械・設備投資にかかった費用に対する助成であり、事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内(福岡県では994円~1,044円)の労働者がいる事業所が対象です。

機械・設備投資等に対する助成率は、事業場内最低賃金1,000円未満の場合は5分の4(1,000円以上は4分の3)であり、助成額上限は、実施する賃金引き上げ額と対象となる労働者数によって決定されます(30万~600万)。

働き方改革推進支援助成金と同様に、業務効率を図る機械・設備投資に対する助成ですが、大きな違いとして業務改善助成金は(1)事業場内最低賃金の賃上げ必須である点、(2)事業場内最低賃金に該当する労働者の賃金が地域別最低賃金+50円の範囲内にあることが要件となっている点です。

新年度へ向けて

助成金の制度は、毎年度ごとに改正されています。概要は上記のとおりですが、4月になると徐々に詳細な助成金の情報が厚生労働省から発表されることになっています。具体的に取組みを進める場合は、厚生労働省から発表される要領を確認して適切な段階を踏んで実行することが重要です。

なお、本ページの記載は、令和7年度の情報です。エスマイルの助成金サポートについては下記ボタンからご覧ください。

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