法改正 派遣

令和7年からの職業紹介事業許可条件|転職勧奨・お祝い金

  1. HOME >
  2. NEWS&TOPICS >
  3. 法改正 >

令和7年からの職業紹介事業許可条件|転職勧奨・お祝い金

職業安定法に基づく指針の一部改正

令和3年4月1日より、職業安定法に基づく指針が一部改正されました。これにより、職業紹介事業者が「就職お祝い金」などの名目で求職者に金銭等を提供し、求職の申し込みを促す行為が禁止されました。

職業安定法に基づく指針では、職業紹介事業者や募集情報提供事業者が、労働力の需給を適正かつ円滑に調整する役割を果たすための遵守事項が定められています。令和7年1月1日から順次、「就職お祝い金」「転職勧奨」の禁止が、職業紹介事業の許可条件に追加される予定です。

厚生労働省:⾦銭等提供・転職勧奨禁⽌の職業紹介事業許可条件化について

職業紹介事業とは

職業紹介事業は、職業安定法第4条第1項に基づいて「求人および求職の申し込みを受け、求人者と求職者間の雇用関係の成立をあっせんすること」と定義されています。

厚生労働省石川労働局「職業紹介事業とは」より

職業紹介事業には「有料職業紹介事業」と「無料職業紹介事業」の2種類があります。

  • 有料職業紹介事業:手数料や報酬を受けて行う職業紹介。厚生労働大臣の許可が必要です。
  • 無料職業紹介事業:手数料や報酬を受けずに行う職業紹介。こちらも許可が必要です。

許可の有効期間は、有料職業紹介事業の場合、初回は3年間、更新後は5年間です。無料職業紹介事業は、初回・更新ともに5年間の有効期間があります。

「就職お祝い金」および「転職勧奨」とは

職業安定法第33条の5では、職業紹介事業者が職業安定機関と連携し、その質の向上を図ることが求められています。職業安定法に基づく指針(令和4年厚生労働省告示第198号)では、職業紹介事業者が行ってはならない行為の一つとして「就職お祝い金」と「転職勧奨」が記載されています。

  • 就職お祝い金
    職業紹介事業者が求職者に金銭等を提供し、転職を促す行為です。指針には、求職の申込みの勧奨にあたり、お祝い⾦その他これに類する名⽬で社会通念上相当と認められる程度を超えて求職者に⾦銭等を提供してはならないことが記載されています。この行為は、労働市場の健全な需給調整を妨げ、労働者の雇用安定を損なう恐れがあります。
  • 転職勧奨
    職業紹介事業者は、自社が紹介した人材 (期間の定めのない労働契約を締結して就業した者に限る)に対して、就職した日から二年間、転職の勧奨を行ってはならないとされています。これは、労働者の早期離職等につながると安定した雇用環境の形成を妨げる可能性があるためです。

令和7年1月1日からの新基準

令和7年1月1日から順次、「就職お祝い金」「転職勧奨禁止」が職業紹介事業の新たな許可条件に追加されます。この条件は、令和7年1月1日以降の新規許可や更新の際に適用され、違反が繰り返される場合、許可取消の対象となることが想定されています。また、令和7年1月1日以前に許可を取得している事業者も、違反が確認された場合には是正指導が行われ、その後も改善が見られない場合、許可取消の対象となる可能性があります。

おわりに

職業紹介事業の運営には、法令の遵守が不可欠です。特に「お祝い金」や「転職勧奨」の禁止に関しては、令和7年1月1日から順次、許可条件としての適用が始まることが予定されています。人材紹介事業者の皆様は、これらの新たな基準を理解し、適正な運営を行うことが求められます。当事務所では、職業紹介事業の運営に関するご相談や法令対応についてのサポートを提供しております。企業の人事労務においてご不明な点などがありましたら、ぜひ当事務所にお問い合わせください。

-法改正, 派遣