当社では、入社後3年以内の有期雇用労働者を対象とする正社員転換規程があり、正社員転換試験に合格すれば正社員になることができます。しかし、勤続3年以内に正社員転換試験に合格できない労働者がおり、当社の社員としてふさわしくないと思っています。有期雇用は通算5年を超える労働契約になると、労働者の希望があれば無期雇用に転換して定年まで雇用しなければならない法律になっていると聞きましたが、パフォーマンスが好ましくない労働者を雇い続けるのは経営上困難です。そこで、今後は有期雇用の更新上限を設けることを検討しており、有期雇用期間の上限を3年にしようと思います。上限を設けることで、試験に合格できない労働者は3年で雇止めにしようと思いますが問題はないでしょうか?
有期雇用契約の上限を設ける目的が、労働契約法に定められた無期転換権の発生を避けることである場合、行政機関からの指導や、労働者とのトラブルに発展する恐れがあります。試験に合格できない(=正社員に転換できない)ことと、雇用契約が終わることで働けなくなることは同義ではないと判断でき、この場合の雇止めは法令違反となり無効になる可能性があります。無期転換権が発生する前の時点で雇止めの上限を設けるのではなく、当該有期雇用労働者が有期雇用契約の更新基準を満たしているかどうかに着目して雇用を管理してはいかがでしょうか。
更新期間や更新回数の上限を設けること自体は法令上認められていることではありますが、上限などを設けた結果として無期転換権が発生するのを抑制する事情があると判断されると、労働契約法第19条に基づき無効になる可能性があります。
次のいずれかに該当する場合には、使用者が有期雇用契約を期間満了(雇止め)により終了することが「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない」ため、雇止めが認められず、従前と同一の労働条件で、有期労働契約が更新されることになります。
① 過去に複数回更新されており、社会通念上無期雇用と同視できる場合
② 有期雇用契約が更新されることへの合理的な期待がある場合
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