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令和6年1月に新設された助成金【育休中等業務代替支援コース】

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令和6年1月に新設された助成金【育休中等業務代替支援コース】

育休中等業務代替支援コースとは

【育休中等業務代替支援コース】は、育児休業や育児短時間勤務をする労働者がいる企業で活用できる雇用関係助成金のうちのひとつです。この助成金は、育児休業や育児短時間勤務をする労働者がいる企業で、新規雇用または周囲の労働者に手当を支払ったうえで代替業務を行わせる場合に、業務の見直しや効率化といった職場の取組みを後押しし、育休取得や育児短時間勤務をしやすい職場環境を整えることを目的としています。

労働者の子育てと仕事の両立を支援する企業が活用できる助成金としては従来より【両立支援等助成金】の【育児休業等支援コース】や【出生時両立支援コース】がありましたが、新たなコースとして令和6年1月より【育休中等業務代替支援コース】がスタートすることとなりました。育休中等業務代替支援コースは、令和6年1月1日以降に労働者が育児休業や育児短時間勤務を開始した場合を対象としています。

主な要件

育休取得者や育児短時間勤務者が行っていた業務を(1)新規雇用者に代替させる場合、(2)新規雇用によらず手当を支給して周囲の労働者に代替させる場合の2パターンが設定されおり、(1)は育児休業取得者の代替対応であり、(2)は育児休業取得者と育児短時間勤務者の代替対応となります。以下に主な要件の一部と助成額をご紹介します。

(1)新規雇用者に代替させる場合

・育休取得者の業務を代替する労働者を新規雇用
・新規雇用者が育休取得者と同一事業所・部署で育休取得者の所定労働時間の半分以上勤務
・育休取得者が7日以上(うち所定労働日数3日以上)の育児休業取得
・育休取得者を原則として原職等に復帰、復職後3ヶ月以上勤務
【 助成額 】
業務代替期間に応じて9万円~67.5万円
 

(2)手当を支給して周囲の労働者に代替させる場合

・育休取得者や育児短時間勤務者、業務代替する労働者の業務見直しや効率化を行う
・代替業務を行う労働者に対して手当を支給することを就業規則に定める
・業務代替期間に、業務代替者に手当を支給し賃金を増額する
・育休取得者の代替である場合、育休取得者が7日以上(うち所定労働日数3日以上)の休業取得、原職等に復職し3ヶ月以上勤務
・育児短時間勤務者の代替である場合、1ヶ月以上の期間にわたり1時間以上の時短勤務制度を利用(※)
※1日所定労働時間が7時間以上の労働者が1日1時間以上時短勤務した場合が対象
【 助成額 】
業務体制整備経費:5万円(育児短時間勤務の代替の場合は2万円
業務代替手当:業務代替者に支給した手当総額の4分の3(金額と期間の上限あり)

新規雇用による業務代替、手当支給のうえ周囲の労働者に業務代替させる場合をあわせて、初回の対象者が出てから5年間1事業主1年度で育休取得者と育児短時間勤務者の合計で10人までを上限に支給されます。

加算措置

以下の要件を満たす場合に、助成額の加算が行われます。

(加算1)有期雇用労働者加算

育児休業取得者や育児短時間勤務制度の利用者が、有期雇用労働者である場合、10万円が加算されます。
ただし、育児休業や育児短時間勤務制度の利用期間が1ヶ月以上あることが要件です。

(加算2)育児休業等に関する情報公表加算

自社の育児休業取得状況等を公表する場合、2万円が加算されます(1回限り)

おわりに

従来より、育児休業や育児短時間勤務を行う労働者にフォーカスした公的な支援制度が注目を浴びていますが、育児に関する制度を利用して働く労働者を支える周囲の労働者に手当を支給することで、育児と仕事を両立しながら働きやすい職場風土づくりのひとつとして活用可能性がある育休中等業務代替支援コース。厚生労働省では、2歳未満の子を養育する労働者を対象として雇用保険から『育児時短就業給付(仮称)』を支給することが検討されていることもあり、将来的に労働者からの育児短時間勤務制度の利用ニーズが高まることが考えられます。

本助成金の活用をきっかけに、労働者の業務を俯瞰して他の労働者が代替可能となるための効率化や業務見直しを行い、業務負荷に応じた給与の納得性を高められる効果も期待できるのではないでしょうか。

なお、本記事は助成金のおおまかな内容をご紹介するものであり、詳細な要件等については助成金の支給要領をご確認下さい。

また、助成金に取り組むのがはじめてである場合や、必要な規則や労務管理が現状で足りているかご不安な場合は改善をサポートいたしますのでお気軽にご相談下さい。

  • この記事を書いた人
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エスマイル社会保険労務士事務所 社会保険労務士 三浦 敬子

福岡・北九州を拠点に社会保険労務士として、労使双方が共に満足できる職場づくりをサポートしています。企業が理想とする職場を実現するために、新しい時代に対応する支援メニューを提供いたします。

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